美忘録

羅列です

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高2の頃にコンビニバイトで精魂尽き果てるまで使役された過去から長らくバイトを控えていた俺。しかし、金を口座から下ろすたびに残高表示を見ないように目を瞑る日々がそれはもう惨めでたまらなかったのでそろそろ働くかと思い立ち、バイトを探すことにした。

 

バイトの募集などそれこそ星の数ほどあるが、しかしだからこそその中から宝玉を探し出すのはまさに至難の技といえよう。一歩間違えればマネジメント能力ゼロのクソ店長と共感能力ゼロのクソ客の地獄万力に挟まれて健全な精神が粉々のミンチになってしまう

 

そこで俺は過去の経験を生かし「こんなバイトは可及的速やかにやめよう!」リストを作成した。是非これからバイトを始める人も参考にしてほしい。

 

・店舗が繁華街、レジャー施設、ライブ会場、高速道路(PA)に面している

・アクティブの従業員が10人未満

・深夜も営業している

・週3が最低条件

・店長がクソ

・店長が全く仕事をしない

・店長が高偏差値高校→Fラン大学という経歴を持っている

・店長が12時出勤の18時退社

・店長が事務室に引きこもって艦隊これくしょんをしている

・店長が大学の序列に詳しい

・店長が高校模試のシステムに詳しい

・店長がデブ

・店長がバカ

・店長がバイトリーダーの買ってきた椅子を数日中に破壊する

 

以上の事項に抵触しないことが健全なバイト生活を送るための最低条件である。しかし、ここでこういった質問が噴出するかもしれない。「時給についての言及がないやん!」と。

 

うんまぁ・・・確かに時給もバイトを選ぶ上での重要な判断基準の一つかもしれない。しかしここだけを頼りにバイトを始めると思わぬ誤算に足を取られる可能性がある。

 

俺がなぜコンビニなんかで働いていたかというのも、ひとえにその時給の高さにあった。なんと850円/hという超高時給(長野県における850円は東京における1200~1300円に匹敵する)。私は850円という甘い響きにまんまとおびき寄せられ、見事地獄の一年間を過ごすこととなった。

 

コンビニというのはとにかく仕事が多い。レジ打ちだけではとてもではないが店を回せない。商品の陳列、フライヤーの調理、店内の清掃、つまみ食い、収支の確認、宅急便の引渡、クレーム処理、つまみ食い、ゴミ捨て、(ウチは無かったが)トイレ掃除、店外での呼び込み、つまみ食い、電話対応など、挙げれば枚挙に暇がない。

 

よく「コンビニバイトは慣れてくるとだんだん『シャッセ~』とか『ッエ~~~』とか言うようになる」みたいなネタコピペを見かけるが、あれは決して笑い事ではない。

 

あれは債務の蓄積や極悪非道な底辺客の襲来によって楽しかった日々の思い出や人との温かい関わりを忘れてしまった、いわばコンビニバイトたちの悲痛な叫び声なのである

 

もしこの声が聞こえたら、そっと何も買わずに店を出るか、買うとしてもいちいちレジ打ちについて文句を言わないであげよう。あとポイントカードは会計前に出さないと殺すからな。「あ~やっぱありました~」じゃねぇんだよ、陰毛毟るぞ。そこのお前も「トイレだけ使うのは申し訳ないから」とか言ってガム買ってくのやめろ。トイレだけ使ってさっさと出てけ。

 

このように、時給だけでバイトを選ぶとロクなことにならない。確かに中には高時給高優遇の超優良バイトもあるだろうが、それも全体からすればごく一部である。そもそも蓋を開けるまで職場の内実なんか分かんねーよバーカ

 

バイトを探すこと約半日。やっぱり俺には無職が一番かなと考えていたところに思わぬニュースが入ってきた。

 

私は寮に住んでいるのだが、なんとウチの寮生だけで回しているという中華屋が高円寺内にあるというのだ。しかも業務は配膳・洗い物・レジのみ。そのうえ17時~22時までというちょうどよいシフト。時給も約1000円で申し分ない。マジで天が味方したとしか思えない。

 

早速俺は研修に入ってみた。そこで俺は衝撃の光景を目の当たりにする・・・・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・客が来ない

 

 

 

客が来ないのだ。

 

 

 

いくら待てど客が来ない

 

 

 

携帯をいじってても友達と喋ってても、

 

 

 

全く客が来ない

 

 

 

え?ここマジで高円寺?とビビるくらい客が来ない

 

 

 

しかし俺は客という存在がこの世で一番面倒臭くて嫌いなのでこれ以上嬉しいことはない。

 

この店が一体月にいくら儲けているのか、店長が果たして本当に健康で文化的な最低限度の生活を営めているのか、色々気にかかることはあるが、それはそうとしてマジで快適な職場である。

 

この前は、あまりにも暇だったので店長と談話していたら、店長がおもむろにビンのようなものを取り出し、グビグビと飲み始めた

 

そのビンに刻まれていた文字はーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーージャイアン・・・・・・

 

 

 

 

 

そう・・・

 

 

 

 

 

・・・焼酎である・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー俺はここで働くことを決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

灯台下暗しということわざが示すように、素晴らしいバイトというのもまた案外自分の近くに転がっているものなのかもしれない。

 

よし働くぞ、俺はここで一生懸命働くぞ。

 

6月は2回もシフトに入ります。

 

俺はすごいんだ。

 

みんなもいいバイトを見つけていい人生を送ろう!おわり!