美忘録

羅列です

都心で撮れたヘンな写真まとめ

「金はないが活力だけはある」。そんな都内在住の貧乏大学生御用達の趣味といえばやはり「散歩」だろう。この日本国において散歩は全国民に付与された平等の権利だ。いくら歩こうが区境を跨ごうが一銭たりとも徴収されることはない。

 

ゆりかもめは高い」?「北総線はボッタクリ」?

 

だまれ。歩け。チャリを漕げ。

 

そんなわけで花より団子より無料という言葉に目がない私はすっかり徒歩とチャリによる「散歩」の魔性に取り憑かれてしまった。暇さえあれば東奔西走、都内のあらゆる場所に特に用もなく足を運んだ。最近では主要道路の交差点に対してセンシュアルな興奮を覚えはじめ、いよいよキモオタク的本性が現前しつつある。はやく殺してくれ。

 

さて、あらゆる多様性が「東京だから」という大義名分のもとで容認されているこの街においては、散歩を幾度となく続けていると時折不可思議な現象・物体に遭遇することがある。また、幾度となくシャッターを切っているといい感じにシュールな写真が撮れたりする。

 

今回のブログでは、そんなイイ感じにヘンな写真を手元にあるだけ紹介していこうと思う。まとめブログとか「#SHIBUYAMELTDOWN」を見るようなメンタリティで読んで欲しい。

 

 

 

1.東京メトロ銀座線浅草駅の地下にある猥雑空間

f:id:nikoniko390831:20190502050646j:plain

f:id:nikoniko390831:20190502050724j:plain
さすが下町(笑)といったところか。自分が観光名所であるという自負など微塵も感じない嫌悪施設が立ち並ぶ(写真上)。中でも中華系露店の目の前にアダルトビデオコーナーが堂々と構える様子は都内屈指と言っても過言ではない治安の悪さだ(写真下)。

 

ちなみにこの色の狂った中華そばは300円程度で食べられる。隅田川みたいな味がするのでチャキチャキの江戸っ子の皆様は是非ご賞味あれ、と言いたいところだが、先日同所を訪れてみたら、この露店は跡形もなく消えてしまっていた。栄枯盛衰という感じでよろしいですね。

 

2.燃えるセンター街

f:id:nikoniko390831:20190502051743j:plain

2017年。年末くらいクラブにでも行って鬱屈とした日常を忘れようと渋谷を訪れたときのことである。衆目の先にごうごうと燃えていたのはセンター街雑居ビルの2階に入っていた鉄板焼き店だった。

 

この店は生来より肉を客の前でダイナミックに焼き上げるパフォーマンスを行っていたというが、だったら内装を木造にするなよと思う。渋谷らしくていいが。

 

3.足立区の本当に気持ち悪い公園

f:id:nikoniko390831:20190502052429j:plain

こんなところで遊びたいか?と正気を疑いたくなる公園。正式名称は「下河原公園」らしい。写真左の気持ち悪い緑色の生き物は夏場になると口から水をゲロゲロと吐瀉するらしい。勘弁してくれよ。

 

こういうSAN値ガリガリ削ってくるモニュメントが平然と存在できるのが足立区クオリティである。ちなみに最寄駅は「女子高生コンクリ事件」の舞台となった綾瀬駅。くわばらくわばら。

 

4.オタクの軽犯罪in秋葉原

f:id:nikoniko390831:20190502053225j:plain

コミケの時期になるたびに渋谷ハロウィンとコミケの治安を比較しては溜飲を下げているオタクだが、秋葉原のカードショップを散策しているとこういう写真が頻繁に撮れる。「オタクはマナーがいい」というのは幻想だったわけである。

 

どうでもいいがカードショップ以外のフロアが軒並みいかがわしいリフレ店なのが面白い。「私たちはたとえどんなに汚い汗まみれの肉団子でも分け隔てなく受け入れて差し上げますわ」というリフレ店の涙ぐましい平等精神を感じる。

 

5.西新宿に現れたバンクシーの作品

f:id:nikoniko390831:20190502054009j:plain

都庁に描かれたバンクシーの作品と思わしき落書きが、東京を統べるタヌキおばさんの手によって保護された事件が記憶に新しいが、私が思うに本当のバンクシー作品は西新宿一丁目の新都心歩道橋に描かれたこの「ちんちん」なのではないかと思う。

 

ちんちん」という言葉の力強さ、アナーキズム、反骨精神、皮肉性はまさに往年のバンクシー作品にも通底する。小池百合子はあんな小汚いネズミの絵より早くこっちを保護しろ

 

6.スミダリバー・ファイアーワークス核戦争

f:id:nikoniko390831:20190502054829j:plain

私の絶望的な撮影センスが生み出した2017年夏の東京大空襲の様子。粋とか風情といった感情がここまで喚起されない写真も少ないのではないか。

 

普段は「下町」とか「傾奇者」などといって文京区のボケ老人の嘲笑の的となっている墨田区民もこの日ばかりは鼻が高い。軒先でバーベキューしたりベランダでワイングラスを傾けたりと、花火目当てにやってきた余所者に対し墨田区民アピールを欠かさない。

 

7.市ヶ谷の謎空間

f:id:nikoniko390831:20190502055433j:plain

市ヶ谷の住宅街を歩いていると突如現れる虚無空間。こういうのを見ているとワンルームごときに月々何万も払っているのがバカらしくなってよくない。しかもご丁寧に鉄柵を巡らせてホームレス対策までバッチリである。有事の際は汎用人型決戦兵器とか出てくるんだろうか。

 

8.三ノ輪橋商店街の虚しい看板

f:id:nikoniko390831:20190502060144j:plain

なぜこういう全く意味のない看板を置くのか理解に苦しむが、南千住という場所が場所なだけ仕方がない気もする。色々苦慮してるんでしょうね、住民も。

 

余談だがこの商店街は都内屈指の臭さを誇る。「くっさ(笑)」みたいな比喩ではなく本当に臭い。この商店街では日常的に馬糞を投擲する祭りでも開催されているのかと疑いたくなる臭さだ。原因が特定できないのがさらに恐ろしい。

 

9.正しいストリートカルチャー

f:id:nikoniko390831:20190502060739j:plain

サブカル大学生タウンこと下北沢にほど近い大原に位置する電柱とそれに張り付けられたSupremeのステッカー。メルカリにでも出せば1000円近く稼げるシロモノをわざわざこんな微妙なところに貼ってしまうストリートキッズの心意気に脱帽。

 

電柱付近のログハウス風の店舗で髭をたたえた中年男性数人が酒盛りしていたが、十中八九奴らの犯行だろう。街を汚すんじゃない

 

10.西新井駅アシンメトリー金玉像f:id:nikoniko390831:20190502061425j:plain

またもや足立区による凶行である。どう見ても奇形の金玉にしか見えない銅像を駅前に堂々と展示してしまうあたりに足立区民のモラルの低さが如実に表れている。こんなものを見て育ったらロクな大人にならない。

 

極めつけは金玉の境目にうち捨てられたマクドナルドのゴミ。きっとこの辺の若者がポイっと捨てていったんでしょうね。こんな街に育てられてしまった若者のささやかな反逆なのかもしれない。

 

11.大森駅前の標語看板

f:id:nikoniko390831:20190502063513j:plain

俺は嫌いだから壊すねという気持ちしかない。それが嫌なら抵抗しな。拳で。

 

12.谷中霊園前の人権剥奪トイレ

f:id:nikoniko390831:20190502063653j:plain

いや、花壇置く前にやることあるだろ

 

谷中霊園と言えば都内でもそこそこ大きめの霊園。日中はそこそこ人通りもあるというのに何だこの淫乱仕様は。「人間いつかは墓の下なんだから少しばかりの恥は気にしなくてもいいんだぜ」というポジティブなメッセージ性すら感じる。

 

12.川崎駅前でいともたやすく行われるえげつない行為

f:id:nikoniko390831:20190502135351j:image

衝撃の価格破壊が断行されているらしいが具体的に何が価格破壊されているのかは判然としない。3つ並んだ「自転車の押し歩きにご協力ください」という看板が何とも言えないアトモスフィアを現前させている。で結局ここは何屋なんだよ

 

やはり川崎という土地には破壊の2文字がよく似合う。特に京急線沿いなんかは一触即発のデンジャラスな緊張感が常に張りつめている。そういう危険を未然に回避するためにも自転車は押し歩くべきなんだろう。

 

13.欺瞞だらけの南新宿駅

f:id:nikoniko390831:20190502171107j:plain

え・・・廃駅・・・?

 

新宿と名の付く駅はたくさんある。新宿駅西新宿駅西武新宿駅新宿三丁目駅・・・どれも新宿の名を背負うにふさわしい巨大駅ばかりだが、そんな中に一人だけ落ちこぼれがいる。それこそがこの南新宿駅だ。

 

小田急の各駅停車しか停車しないうえに数分歩けば新宿駅や代々木駅があるためわざわざこの駅を利用する者はいない。都外のマイナー駅を抑え小田急線の乗降者数ワーストランキングで常に首位をキープし続ける最弱駅である

 

さらに恐ろしいのが「南新宿」という名前を関していながら住所が渋谷区である点だ。新宿と渋谷という巨大都市に対し同時に汚名を着せるアクロバティックさには感服せざるを得ない。

 

14.八王子螺旋階段

f:id:nikoniko390831:20190502174041j:plain

螺旋階段があること自体は全然構わない。ないよりはあった方が便利だから。

 

しかしこの階段の行き着く先はどう見てもただの草むらである。何のエンジョイメントもない、マジの草むらである。八王子の子供はこういう剥き出しの自然の中でも何らかの享楽を見出すのだろうか。人間、前世でどんな悪行を重ねても八王子にだけは転生したくないものだ。

 

15.クソ警官

f:id:nikoniko390831:20190502175929j:plain

日暮里付近で執拗に追いかけ回してきた悪徳警官。はやく天罰が下りますように

 

16.白鳥公園に興奮する後輩の白鳥くん

f:id:nikoniko390831:20190502180200j:plain

自分と同じ名前を持つ公園を発見し思わず笑みをこぼす白鳥くん。石神井公園の高級住宅地に住んでいながら葛飾区の公園に親近感を覚えるとは何事だ。上級国民の風上にも置けない。辰巳団地を見て「俺はこんなとこに住んでる貧乏人とは違う」と豪語していた頃に戻ってくれ。

 

17.つげ義春っぽい安宿

f:id:nikoniko390831:20190502180816j:plain

一泊1200円という値段に一瞬ひっくり返るも外装を見て納得。これが俺たちの荒川区だ!

 

写真左の鳥居は一体何なのか。全部くぐったら冥界に連れて行かれるのだろうか。冥界はいいとしても生前最後に訪れた場所が三ノ輪というのはあまりにも成仏できない。

 

この写真を撮影した数分後、冬場にもかかわらずサンダルを履いた臭いオッサンに「だァオラ殺すぞ!」とすごまれた。彼が一刻も早く成仏できますように

 

18.衛生管理のヤバい薬局

f:id:nikoniko390831:20190502182408j:plain

あーらどなたのワンちゃんかしら?と思ったらこの店の番犬らしい。山谷はこういうローカルな温かさのある素敵な街ですね。衛生管理?そんなもん山谷の辞書にゃ載ってねぇっぺ!何より一番ヤバいのはここが「薬局」だということなんですよね。

 

店主曰く月一でトリマーを呼んでいるとのことだがそれにしてはあまりにも小汚くないか。そういう毛色か、アハハ。

 

19.港区の肩書きが欲しい貧乏人の皆様へ

f:id:nikoniko390831:20190502183058j:plain

f:id:nikoniko390831:20190502183145j:plain

国道246号線青山通り外苑前駅から徒歩5分。港区最後のフロンティアはそこにあった。こんなボロっちい団地が依然として港区のど真ん中に構えている時代錯誤。内部は完全にアノニマス化されておりその全貌を窺い知ることはできない。そして向こうからは六本木の高層マンション群がこちらを嫌味っぽく睥睨している。

 

こんな極まった光景が見られるの場所は都内でもここを置いて他にない。私が撮影に向かった際は住人と思しき老爺が庭先で作物の違法栽培に勤しんでいた。上京してよかった。心からそう思えた瞬間であった。

 

20.#EBISUMELTDOWN

f:id:nikoniko390831:20190502191420j:plain

夜が深まるにつれこういう全てがどうでもよくなっちゃったオジサマが増えていくわけだが、驚くべきは撮影時刻が20時だったということだ。20時でもデキあがっちゃう街、それがエビスビールのお膝元こと恵比寿なのだ。「足もと注意」という床の表示が何とも虚しい。

 

よほど楽しいことがあったのか、はたまた真逆か。そんな杞憂をわだかまらせたまま、山手線は品川を目指す。

 

21.中央区のキモいホテル

f:id:nikoniko390831:20190502192155j:plain

正方形が歪に連なったようなレトロフューチャーも甚だしい中央区随一のメルクマールこと中銀カプセルタワービル。竣工は1972年。現在では老朽化やらアスベストやらの問題で取り壊すか否かの瀬戸際に立たされている。

 

正方形一つ一つがカプセルホテルになっているらしいが、正直出っ張っている区画にはあんまり泊まりたくない

 

22.誰も笑ってないニコニコ商店街

f:id:nikoniko390831:20190502192734j:plain

やはり足立区というのは何かおぞましいものを自然と引き寄せる力みたいなものを有しているんじゃないか。

 

「ニコニコ」という擬態語の意味を疑いたくなるような寂寞とした商店街。夜中は散歩している人間すらいないため「ニコニコ」という動作の主体が消失し、圧倒的な虚無だけがそこに残るというかそもそも自販機くらいしかロクな購買施設がない状態で商店街を名乗ること自体狂っている

 

23.即落ち2コマ

f:id:nikoniko390831:20190502193847j:plain

よし原安全安心な街」から「ひったくりに注意!!」への流れはもはや芸術の域。風俗街が安全安心を標榜することの難しさが端的に表れたいい写真だ。そもそも本当に安全安心な街は自分から声高に安全安心であることを主張する必要がない。悲しい逆説だ。

 

ちなみに奥の方に見える店は言わずもがな全て風俗店。ハイヒールにファーコートのイカニモなお姉さんと5回くらいすれ違った。お勤めご苦労様です。

 

24.大岡山カルト自販機

f:id:nikoniko390831:20190502194500j:plain

f:id:nikoniko390831:20190502194531j:plain

家の壁や電柱が電波な落書きをされるパターンは見慣れても、自販機が同様の被害に遭っているところはそうそうお目にかかれないだろう。そんな可哀想な自販機が環七通りの大岡山交差点付近にあった。

 

しかし「いろはす90円」とか「大幅値下げ」とか、どの落書きもギリギリあり得そうな内容のため、どこまでがフェイクニュースなのか判別しがたい。

 

自身の胸中を吐露するでも、メチャクチャに破壊するでもなく、ただ単に利用者を疑心暗鬼に陥れるだけの悪質極まりないいたずらである。ちなみにコカコーラピーチ味を買いました。

 

 

 

散歩の醍醐味とはやはりこういった地図で確認できない面白さの発見にあると思う。これからももっとしょうもない写真を死ぬほど収めていきたい所存だ。それではまたどこかで。